Huawei Japanが注目する日本のクリエイティブAI! 「AI × Creativity Hackathon」レポート



2025年5月25日、東京・有明のHUAWEI Ariake Central Tower。梅雨入り前の貴重な日曜日の午後、AIとクリエイティビティの未来を担う約100人の熱気がこの場所に集結しました。
東京発のAIコミュニティ「TechTabi」と「Huawei Japan」が共同で開催した「AI × Creativity Hackathon | Behold the emergence of a new intelligence」。本イベントは、生成AI時代のクリエイティブ表現と協働の最前線を、参加者自らが体験する実践型ハッカソンです。
https://lu.ma/ggauc35p?tk=sg3yuD
単なるツールの紹介に留まらず、日本を舞台に活躍する世界各国出身のトップランナーたちの思想に触れ、その場でチームを組んで作品を創り上げる。そんな濃密な5時間のイベントの様子を、興奮冷めやらぬままお届けします。
豪華ゲストが語る「AIと創造性」のリアルな現場
会場は満員御礼。クリエイター、デザイナー、開発者、起業家など、多様なバックグラウンドを持つ参加者が集まり、イベント開始前から熱気に包まれていました。参加者は日本が35%、その他の国からが30%、中国が35%と非常に多国籍で、会場では中国語話者が多く、世界に向けた発信や日本との連携というイベントの趣旨を体感できました。
そういえば ComfyUI Community Summit も近い客層でした。中国でのクリエイティブAIの熱狂が体感できます。
https://note.com/aicu/n/n035425417ead
主催のTechTabiは、東京を拠点とする AI コミュニティ。シリコンバレー、シンガポール、日本、中国の投資家と起業家が共同設立し、世界のトップ AI 専門家を定期的に招いて講演・技術交流を行っています。
司会のJack Ma氏(同名?ジョークだそうです!)による軽快なオープニングで会場が和んだ後、豪華ゲストによるプレゼンテーションがスタート。それぞれの視点から語られる「AIと創造性」の未来は、刺激的で示唆に富むものでした。
「AIと日本の創造性で、日本を再び偉大に」 - 白強 (Bai Chang) 氏(TechTabi 創設者)
白強氏は、TechTabi の創設者・インキュベーター。中国科学技術大学数学科卒、パデュー大学統計学博士。AIスピーカーデバイスなどを開発する科大訊飛股分有限公司(iFLYTEK Co Ltd)を含む上場テック企業3社を共同創業。現在、AbleGPT & KickGPT(AI×Web3)共同創業者(日本)。

「残念ながら日本のAI技術はまだ世界基準ではない。しかし、日本のアニメや漫画といった創造性は世界をリードしている。この2つを組み合わせれば、日本を再び偉大にできる(We can actually make Japan great again.)」
TechTabiの創設者である白強(バイ・チャン)氏は、力強くこう語りました。自身もかつて3D映画の制作で大きな損失を出した経験に触れつつ、「AIがあれば、私のような創造性のない人間でもあらゆるコンテンツが作れる。AIは単なる模倣ではなく、独自の視点を持つ新しい知性だ」と、AIがもたらすストーリーテリングの革命的な可能性を熱弁。会場からは大きな拍手が送られました。
「自律型エージェントがエコシステムを創る」 - TechTabi チームリーダー

続いて登壇したTechTabiのチームリーダーは、日本のAIエコシステムが持つ「リソースの分散」や「グローバルな繋がりの弱さ」といった課題を指摘。その解決策として、TechTabiが目指す「TechTavi AI Ecosystem」構想を発表しました。

これは、投資やイベント企画、チームマッチングといった各機能を持つAIエージェント「Tabi」が自律的にコラボレーションし、人間を補完するというもの。「『日米中でイベントをやりたい』と伝えれば、Tabiが自動でスピーカーや会場を確保し、シリコンバレーの投資家まで招集する」。そんな未来像に、会場は期待に満ちた空気に包まれました。


「AIはツール。重要なのは感情的な繋がり」 - イヴ・ダルビエ 氏(映画監督)

20年以上のキャリアを持つ映画監督のイヴ氏は、自身のAIアシステッドフィルム『ANPU』の制作過程を披露。ライブアクション、3D、AI生成ショット、フェイスリプレイスメントなど、多様なツールを駆使した映像美に会場は息をのみました。
ANPU
MINDBODY
https://www.stashmedia.tv/yves-dalbiez-merges-movement-with-ai-animation-in-no-limits-spec-spot/
「スクリプトにGPTは使わない。私のアイデアは、何かを感じることから生まれるから」と語るイヴ氏。「最終的に重要なのは、私たちが作ったツールではなく、作品がどう観客と感情的なレベルで繋がるかだ」という言葉は、すべてのクリエイターの胸に響いたのではないでしょうか。

熱張 鑫(Zhang Xin)氏|AI Mage 株式会社 代表取締役 CEO
東京大学松尾研究室 博士号取得。経済産業省「未踏アドバンスト事業」、東大IPC「1st Round」、Google主催「AI Academy APAC」など国内外の権威ある支援に次々採択。経済産業省 GENIAC「アニメクリエイター創出・制作支援のための生成AIの利活用に関する調査」に参画し、複数大手アニメスタジオと実証実験を進行中。“アニメ産業のグローバル展開を加速させること”を目指す注目の起業家。14歳で将棋のプロ育成機関奨励会に合格した初の国外在住者、独身で来日。


「NPCが自我を持つ世界へ」 - 齋藤 克彦 氏(独立系開発者)

スクウェア・エニックスで『FFXI』の開発にも携わった齋藤氏は、自身の30年以上にわたるキャリアを振り返りながら、AIが開発をいかに加速させたかを語ります。「体感では、**1時間かかっていたコーディングが30秒で終わる。**約60倍のスピードです」。
「AIでコードの壁を超える」- Denjin 氏(アーティスト)

MarvelやGoogleとのコラボ実績を持つアーティストのDenjin氏は、自身の作品シリーズの制作プロセスを惜しげもなく公開。Midjourneyで生成した画像をベースに、P5.js(JavaScriptライブラリ)でグリッチエフェクトを加え、After Effectsで仕上げるという具体的なワークフローを披露しました。

「僕は超デベロッパー的な人間ではない。でもAIのおかげで、コードに深くないアーティストでも欲しいものが得られるようになった」。AIがクリエイターの表現の幅をいかに広げているか、そのリアルな実践例に多くの参加者が頷いていました。

非常にたくさんの知見を共有していただいたのですが、その中でも一部のプロンプト紹介。岩手県での英語教師をしていた時期の経験に基づくインスピレーションのようです。


講演の中で紹介されたプロンプトから生成してみました

Loading tweet component... Loading tweet component... Forbes Asia 30 UNDER 30にも選出された現代アーティストの江上氏は、「ミスコミュニケーション」をテーマに制作を続ける自身の立場から、AIについて語りました。 「正直、以前はAIアートに興味はなかった。でもAIは人間の日常の変化を象徴している。今のAIアートに満足はしていないけれど、AIの哲学や技術は、多くのアーティストを刺激して新しいアートを生み出すはず」。答えを求めるAIと、誤解やズレを探求する自身を「真逆」としながらも、その交差点に生まれるであろう新しいインスピレーションへの期待を語りました。 豪華なインプットセッションの後は、いよいよハッカソンの時間です。参加者たちはその場で5〜7人の即席チームを結成。自己紹介もそこそこに、与えられたテーマ、あるいはオリジナルのテーマで作品制作に取り掛かります。 ハッカソンルール+ TechTabi チームの成果物が無事に完成することを前提に、参加者は自分で制作した動画や画像を個人名義でアップロードすることも可能です。 お互いに自己紹介が終わったら、チーム内で成果物のアップロードを担当する代表者を1名決めて、写真は16:00までに、動画は17:00までに完成・「Group Works」フォルダにアップロードするようご協力をお願いします。 写真および動画は、指定された10個のテーマの中から選択することができますが、自分でテーマを設定することも可能です。 チーム写真のアップロードが完了しましたら、いつでも動画制作に取りかかっていただいて大丈夫です。 使用可能なツール(例・推奨/これらに限らず自由に選択可): 動画編集・結合:CapCut その他、使い慣れているツールは自由に使用してOKです。 会場のいたるところで、ノートPCを囲んで議論する輪が生まれます。 「このプロンプトで画像を生成してみよう!」 「音楽はSunoで作って、CapCutで合わせるのはどう?」 「この動画、Klingで生成したら面白そう!」 画像生成AIの経験がない方々も多く参加されており、「Gemini」、動画生成AIの「Vidu」や「Kling」などを駆使し、アイデアを次々と形にしてはつらつとした表情で発表をしていく参加者たち。メンターとして参加した登壇者たちもしっかりとしたコメントで、熱心にフィードバックを送りました。わずか2時間半という短い時間で、写真と動画を創り上げる集中力と熱気は、まさに圧巻でした。 会場協力のHuaweiさん、ありがとうございました! 今回のハッカソンは、生成AIが単なる効率化ツールではなく、クリエイターのアイデアを増幅させ、未知の表現へと導く「協働者」であることを改めて実感させてくれる場でした。 そして、白強氏が語ったように、AIは世界中のデータから学習し、独自の視点すら持ち始めた「新たな知性」なのかもしれません。その知性と、私たち人間の創造性が交差する現場で、未来の表現は生まれていく。 TechTabiとHuawei Japanが創出したこの熱狂の渦は、日本に在住の中国のAIクリエイティブシーンにとって、間違いなく大きな一歩となったはずです。そしてその熱量に直面した日本の参加者にとっても刺激的な1日になりました。ここからどんな新しい才能や作品、シナジーや共創が生まれてくるのか、期待に胸が膨らみます。 Originally published at note.com/aicu on May 25, 2025.「AIアートの哲学が、新しい創造を刺激する」 - 江上 越 氏(アーティスト)


熱気と創造性が渦巻いたAIクリエイティブチャレンジ
1.各チームは、写真を最低1枚、動画(4秒以上)を最低1本アップロードしてください(最大で写真3枚、動画3本まで)。動画は全体発表で上映されます。チームごとの作品紹介時間は1分です。
画像生成ツール:Raphael、Gemini
動画生成ツール:Vidu AI、Kling
Vidu AI Free Plan: 30 videos),Kling(Free Plan: 4 videos)
•音楽生成:Suno
文字から音声変換(TTS):ElevenLabs
ゲストはメンターとして参加しますので、わからないことがあればいつでも質問してください。
TechTabiメンバーはチューターとしてサポートします。





まとめ:AIは「協働者」であり「新たな知性」

